アピオス由来の機能性物質に関する研究
アピオス(アメリカホドイモ)はマメ科の植物ですが、地下にイモができます。このイモはジャガイモやサツマイモに比べ、タンパク質や脂肪、カルシウム、鉄などが多く含まれ、健康食品として注目されています。アピオスが発揮する生理機能性とその物質については、最近、いくつか報告されるようになってきましたが、まだ、その全容は解明されていません。
本研究室では、このアピオスのタンパク質成分を含めた機能性成分の分離精製、同定を試み、健康食品素材としての高付加価値化を目的に研究を行っています。既にこれまでに、ガン株化細胞に対して増殖抑制活性性を示す、BBI型のトリプシンインヒビター(AATI)やレクチンの分離、精製、遺伝子クローニングを行っています。また、異なるタイプのトリプシンインヒビターやβ-アミラーゼ様タンパク質、ポリガラクツロナーゼインヒビターなどの分離精製が行われています。
また、アピオスには血圧低下作用などの生理機能性を発揮する物質の存在やアピオスタンパク質の酵素分解によって生じるペプチドの血圧低下作用が明らかになっています。それらの物質を分離して、同定する研究も進行中です。
アピオスの塊茎と花
Apios americana trypsin
inhibitor: AATIの構造